日当たりの良い部分のフローリングは、長年の日焼けによって劣化してしまい、放っておくと色褪せが生じたり、表面のコーティングが剥がれてしまったりすることがある。
長年住んでいる家は壁などのメンテナンスに気を取られがちだが、フローリングについても早めに対処することで大きな補修をせずに済み、結果として補修費用を抑えることができる。
今回は日焼けによってどのようにフローリングに症状が現れるのかを解説するとともに、DIY・業者への依頼それぞれについて、作業工程や必要な費用を解説する。
この記事を参考に、フローリングの日焼けには早めの対処を心がけて欲しい。
フローリングの日焼けはどんな症状がある?
フローリングの寿命は15年から20年ほどと言われているが、長時間紫外線にさらされた状態が続くと、日焼けにより早く劣化が進行してしまう。
日焼けによるフローリングの劣化には、表面の変色や剥がれなどの症状が見られる。それぞれ状態がどの程度進行しているかによって対処の仕方が異なってくるため、正確に把握しておこう。
フローリングの表面が変色する
日焼けしたフローリングに最も多くみられる症状は、表面の変色や色あせである。
特に南向きの部屋や日当たりの良い部屋の窓付近では、フローリングの変色や色あせが生じやすいため、注意が必要だ。
色あせや変色は日焼けによる症状の中ではまだ軽く、初期段階であれば比較的簡単に自分で補修することも可能だ。
補修方法は後述するように、市販のワックスなどを揃えれば数千円以内に費用を抑えることができる。部分的な変色や表面的な劣化であれば、初心者であっても簡単に補修することができるため、劣化の状態を適切に把握する必要がある。
軽度な変色や色あせは気にしない人も多く、数年間対策をしないまま症状が悪化することも多い。症状が悪化するとかえって補修に費用がかかってしまうため、このような症状が見られたら早めの対処を心がけよう。
悪化するとフローリングが剥がれてしまうことも
日焼けによる症状が悪化すると、写真のようにフローリングの表面が剥がれてしまったり、毛羽立ちが見られたりすることがある。
表面の些細な剥がれや毛羽立ちであればDIYによる補修もある程度可能だが、大きな剥がれが複数生じてしまうと作業に労力がかかるほか、損傷箇所と既存箇所との色の統一なども難しく、自力では満足のいく仕上がりにならないことも多い。
次の写真は、専門の補修業者に依頼して表面の剥がれを補修してもらった状態である。
激しい劣化をDIYで自然な仕上がりにすることは困難であり、失敗するリスクも高い。
ひどい剥がれなど、フローリングの状態が悪い場合は、リペア(補修)の専門業者にお願いすると良いだろう。
フローリングの日焼けをDIYで補修する場合
フローリングの日焼けによる症状が軽い場合は、DIYで補修することが可能だ。
DIYによる補修は費用を抑えることができるなどのメリットがある反面、仕上がりに不満が残る場合もあるため、補修する前にメリット・デメリットをしっかり確認しておく必要がある。
フローリングをDIYで補修する場合のメリット・デメリット
フローリングの日焼けによる症状をDIYで補修する場合は、専門業者に補修を依頼する場合に比べて補修費用を抑えることができる。
一方、補修のための道具は自分で揃える必要があったり、仕上がりに問題があったりする。
そこで、ここからはDIYで補修を行う場合のメリット・デメリットのほか、補修に必要な道具や具体的な補修方法についても解説する。
<メリット>費用が抑えられる
フローリングの日焼けをDIYで補修する場合は、専門業者に依頼する場合や、張り替えリフォームよりも費用を抑えることができる。
また、変色や色あせの範囲が狭く、症状がそれほど進行していない場合は、初心者でもある程度きれいに修復することが可能である。
このように、フローリングの表面の軽度な日焼けであれば、専門業者に依頼するよりもDIYによる補修の方がメリットは大きい。
目安としては損傷の長さが15cm以上ある場合や、損傷の深さが1mm以上ある場合は、プロに修復を依頼することをおすすめする。
<デメリット>道具の購入や仕上がりに問題があることも
フローリングの日焼けをDIYで補修する場合は、自分で必要な道具を購入しなければならない。ワックスやハケなどが必要になるが、「フローリング補修セット」など、補修に必要な道具を一式揃えられる商品も存在する。
また、フローリングの日焼けを補修するには適切に手順を踏まなければならない。
手順を間違えた場合、仕上がりに問題が生じることもある。
ワックスやハケなどDIYに必要な道具を揃えよう
フローリングの日焼けによる色あせなどをDIYで補修するには、市販の補修道具を揃える必要がある。
必要な道具は以下のとおりだ。
・ハケ
ハケは特殊なものを購入する必要はないが、塗る広さに合わせてサイズを考慮すると良い。それほど補修部分が広くないのであれば、50mmや70mm程度のハケで良いだろう。
・手袋
補修にはニスなどを使用するため、手袋は必ず用意しておこう。
・床用カラーワックス・ニス
ワックスやニスを選ぶ際には、部屋の床に合ったものを選ぶ必要がある。
現在一般的に見られる樹脂コーディングを施された複合フローリング(複数の木製の板を貼りあわせて作られたフローリング)には、床の色に合わせた水性のカラーワックスを選ぶと良い。
これら一式を揃えても、費用は大体数千円程度でおさまるため、DIYによる補修は非常に安価であることがわかる。表面の軽度な変色などの場合は、DIYで対処してみるのも良いだろう。次に、日焼けによって表面が変色したフローリングをDIYで補修する手順を確認しておこう。
フローリングの日焼けをDIYで補修する手順
①フローリングの補修を行う手順としては、はじめに表面のゴミや汚れを落とすために、クリーニングを行う。
②クリーニング後は、フローリングの表面に毛羽立ちや極端な変色の境目がないかをチェックしておこう。毛羽立ちや変色部分の境目がある場合は、サンドペーパーなどで表面を研磨し、目立たなくしておくとより美しい仕上がりになる。
③次に、ワックスやニスをフローリングの表面に塗っていくが、塗る際には木目の方向に沿うように塗る必要がある。一度塗った後、再度上から塗りなおしを行うと、ムラなく仕上げることができる。
④ここまでの手順でも、日焼けで変色した色はかなり復元されるが、より自然な仕上がりとする為に木目の色も描いてあげると尚良い。
下記のようなペンタイプの補修ペンで、補修箇所の木目を描く。コツは、ペンで木目を描いたら指で少しぼかし、また描き足すという様に、指で濃淡を調整しながら行うと上手くいく。
フローリングの日焼けを業者に依頼して補修する場合
ここでは補修業者に依頼する場合のメリット・デメリットや依頼費用について紹介する。
フローリングの補修業者に依頼する場合のメリット・デメリット
フローリングの劣化が進行している場合は、DIYによる補修は難易度が高いため、補修業者に依頼することが望ましい。ここでは業者に依頼する際のメリット・デメリットとともに、補修業者が行う具体的な作業や依頼費用について解説していく。
<メリット>損傷が元から無かったような仕上がり!
補修業者に依頼する場合のメリットは大きく分けて、①難易度の高い補修への対応、②コーティングなどによる耐久性の向上、③余分な材料費がかからない、などがある。
①難易度の高い補修への対応に関しては、専門の補修業者であれば、DIYで補修することが難しい広範囲の色あせやフローリングの毛羽立ち、板の剥がれなどの激しい劣化にも対応してくれる。
写真のようなフローリング表面部分が大きく剥がれているような大きな劣化が見られる場合は、フローリング材の表面の化粧版張り替えが必要になってくる。
補修(リペア)の専門業者であれば、部分張替えではなく、表面の板の張替え補修をしてくれるので、経済的である。
このような状態のときは、無理に自分で補修しようとせず、補修業者に依頼するようにしよう。
次の写真は、専門の補修業者によって表面の化粧板を張り替えた後のフローリングの状態だ。かなりひどい劣化であっても、補修後は周囲のフローリングの色合いと調和し、自然な仕上がりになっていることがわかる。
このように、補修業者に依頼すれば状態の悪いフローリングも元通りに修復しれくれる。
リペア(補修)の場合は基本的に、相談時に写真をメールや問い合わせ欄から送るだけで見積もりをしてくれるので、相談する前に部屋のフローリングの写真などを用意しておくと良いだろう。
②コーティングなどによる耐久年数の向上に関しては、DIYではできない専門的なフローリング表面のクリーニング、表面の補修に加え、今後劣化しにくくなるようにコーティングのアドバイスや施工をしてくれるため、DIYよる補修よりもフローリングの耐久性が向上するというメリットがある。
コーティングは、特に日焼けなどの劣化に対して効果を発揮し、2年から最長20年ほどの耐久性を発揮してくれる。コーティング自体は大規模なものでも1日で終わり、それほど高額な費用が発生するものではないため、部屋を長期間美しく使用できる非常に費用対効果のあるサービスだ。
③余分な材料費を節約できることに関しては、自分で道具を購入して揃える必要がないことはもちろんのこと、補修時にはDIYで調達できない専門的な道具が用いられるため、安価な道具による補修に比べクオリティが高くなるというメリットもある。
上の1枚目の写真は、日焼けによって劣化し、表面の色が落ちた状態のフローリングだ。このような広範囲かつ色がまばらになった状態では、DIYで元の状態のように均一な色合いを再現することは難しい。
2枚目の写真は、専門の補修業者に補修を依頼した場合の仕上がりである。全体の色合いが均一で、劣化した部分も自然に補修されているだけではなく、フローリング全体にコーティングを施すことでつやが生まれ、新築時のような美しい仕上がりになっている。
フローリングは劣化部分を劣化前のような色合いにすることが求められるが、DIYでは細かな調整が難しいのが現状だ。専門の業者に依頼すれば、部分的な補修であっても自然な仕上がりに補修してくれる。
<デメリット>費用がかかる
専門の補修業者に補修を依頼する場合は、DIYに比べて費用が高くなる。
また、損傷のサイズによるが補修後のコーディングも含めると施工に1日かかる場合もあり、その間部屋を使用できないことや、作業時に使用するシンナーや溶剤の臭いがすることなどがデメリットとして挙げられる。ただし補修状況によって時間がかかってしまうのはDIYでも同じであり、実績豊富な職人であればDIYで行うよりも、短時間で高品質な仕事をしてくれる。
フローリングを補修業者に依頼する場合の費用は?
フローリングを補修業者に依頼する場合の費用は、フローリングの状態によって異なるが、一般的な価格相場は2万円~5万円程度となっている。
料金の決定方法は基本的に1平方メートルあたりの単価や作業時間で計算をすることが多いため、具体的な費用が知りたい場合は、まずは補修業者に見積もりを依頼することからはじめよう。
当サイトの補修目安価格は下記となっているので、参考としてお伝えする。
【リペアの目安価格】https://www.toju-repair.com/kakaku/
補修業者への依頼はまず相談、見積もりからはじめよう
補修業者はフローリングの日焼けを補修する専門的なノウハウを持っているため、様々な状態に対応できる。まずは自分の部屋のフローリングの状態やフローリングの種類、築年数などを伝え、不安に感じていることや要望などを相談すると良い。
先にお伝えしたように、相談時に写真を送るだけで見積もりをしてくれる。
補修業者への相談や見積もり依頼は、無料で応じてくれる。補修にどのくらいかかるのか相場感が知りたい場合の方法として、複数の業者に見積もりをお願いし、比較検討してもらう方法がある。
価格を知ることは判断材料となるが、気をつけていただきたいのは、安さを売りにしている業者は技術力が劣るため止めたほうが良い。技術を売りにしている適正価格の業者に依頼することをおすすめする。
終わりに
日焼けによるフローリングの劣化は、色あせなど表面的なものであることが多いため、早期に対応すればDIYで費用を抑えて補修することが可能である。
しかし、簡単な補修であっても、劣化していない部分との色の境目が目立ってしまうなど、専門補修業者の仕上がりに比べると不十分なものになることが多い。
また、DIYによる補修は一時的には効果があっても、立地や日当たり条件に変化がない限り、今後の劣化を避けることはできない。
一定程度年数が経過したフローリングは、フローリング自体を張り替えるなど長期的な視点で考えたほうが良いだろう。
補修業者への相談や見積もりは無料なので、まずは表面だけの補修で良いのか、張替えなどが必要なのかを判断してもらおう。良心的な業者であればしっかりと相談に乗ってくれ、判断してくれる。
フローリングの補修は早めの対策が費用を抑えるカギだ。迷ったら、まずは補修業者に相談してみよう。
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