家族に喫煙者がいるとフローリングの床などに煙草の焦げ跡が付いてしまっている家庭も多い。賃貸マンションではフローリングを交換するにも管理会社に連絡せねばならず頭を抱えてしまう場合もあるだろう。
フローリングの焦げは自分で消す事ができる場合もある。
その手順や補修グッズなど、また専門のプロに依頼する際の参考として、事例や相場を紹介する。フローリングの焦げに悩んでいる人は参考にしてみてほしい。
フローリングの焦げは放置厳禁
フローリングについてしまった焦げ跡を放置してしまっているお宅は多い。ラグやカーペットであれば買い替えて敷き直す事も可能であるが、焦げた箇所がフローリングとなると補修も簡単ではない事が原因である。
フローリングの焦げ跡が付く原因として最も多いのはやはり煙草だろう。喫煙者が家に一人でもいるとフローリングや絨毯などに焦げ跡ができてしまうリスクが高まる。そして厄介なことに焦げ跡と言うのは一度ついてしまうと元に戻す事ができない。
単なる汚れやシミであれば掃除をする事によって元に戻せる可能性が高いが、素材を焼いて傷めてしまっては焦げ跡を消す事も楽ではないだろう。
このように一度できてしまうとなかなか修復困難となる焦げ跡であるが、もしもそのまま放置してしまっていると後悔する元となる。フローリングの焦げ跡は放置厳禁だ。小さな焦げだと思って油断していると、気付いた時には後悔する事態になっている事も少なくない。
剥がれや埃詰まりなど損傷が広がる
まずフローリングの焦げ跡とは見栄えとしても美観を損ねるため、人を家に招いた時に良くない印象を持たれがちとなる。喫煙そのものを嫌う人も年々増えているのが昨今の現状だ。煙草の焦げ跡を見られる事によってだらしない雰囲気も出てしまい、その家のイメージとして悪い印象が定着してしまう事もあるかもしれない。
また、焦げ付きは放置する事によってその範囲が広がってしまう事もある。焦げていると言う事はその部分に穴が開くなどの損傷が生じているのと同じ事である。損傷した箇所の上を歩いたり、掃除をする時に用具が引っ掛かってしまったり、時間が経つとともに焦げ跡がどんどんと大きくなってしまう事もある。
最初の小さな焦げ跡のうちに対処しておけば、カモフラージュも簡単にできる場合があるだろう。ところが損傷を放置した結果あまりに広範囲な焦げ跡となってしまうと、最終的に自分では手の施しようがなくなってしまうケースも少なくない。余計な出費がかさんでしまう原因にもなるだろう。
焦げ跡の上を歩いて怪我
フローリングの焦げ跡を放置する事によって生じるリスクには怪我の恐れがある。焦げ跡は単なる傷とは異なり、焦げ付いた箇所がギザギザとした形で硬く表面が尖っている状態だ。そのためフローリングの上を普段から素足で歩いている場合、焦げ跡を踏みつけてしまう事によって足の裏を痛めてしまう場合も想定する事ができる。
フローリングの上をスリッパで歩く習慣があるならまだしも、素足で部屋の中を歩くときには要注意の箇所となる。さらに小さな子供はスリッパも靴下も履かずに部屋の中を走り回ったり、フローリングの上で寝転がったりする事もあるはずだ。
子供が焦げ跡によって怪我をしてしまわないようにするためにも、フローリングの焦げは早急に対処しておかなければならない。
小さな焦げはペイントで補修!
小さな焦げ跡は視覚をごまかす事によって自分で修復する事が可能な場合が多い。些細な程度の傷であれば、市販されている専門用具を使用する事によって見栄えを元の状態に近づける事ができるだろう。
小さな焦げを修復するためにおすすめしたいのが、上から色を付けて塗りつぶす方法を紹介する。着色によって焦げ跡を目立たなくさせられる商品はいくつかあるが、利用可能範囲が広く、使い勝手が良い商品を選ぶと失敗なく修復させられるはずだ。
準備するもの
自分の手でフローリングの焦げを修復する時に躓きがちなのは色合いである。焦げそのものは目立たなくする事ができても、元のフローリングの色とペイント剤の色味がマッチしていなければ違和感は残ってしまう事となるだろう。
そのためこの手の修復商品を選ぶ際には色の選択肢がいくつか可能な物にしておくと良い。上の商品の場合は10色セットとなっており、定番のダークオークやライトオークの他、グレー系やブラックまで多様にそろっているため調整しやすい。用意する物はこの専用アイテムと紙やすりがあればできるため、大きな手間と費用をかける事無く修復作業を実現できる。
手順とポイント
手順①:焦げ跡ができてしまった箇所の表面を紙やすりで焦げを削り、表面を整える。
手順②:木屑やホコリ等の汚れを巻き込んでしまわないよう入り込んだ木屑は刷毛等でかき出し、掃除機等で綺麗に取り除く。
手順③:フローリング全体の色合いと調和する色でクレヨンを埋めるように補修していく。使用するクレヨンは1色だけでなく、何色かを塗りこみながら色を合わせていくと、自然な仕上がりになりやすい。コツは、補修箇所に対してクレヨンを埋め込んでいくように、垂直に動かすこと。
大きな焦げは彫刻刀とリペア剤で補修!
小さな焦げつき程度であれば上記のように色を塗り潰してごまかす事ができるだろう。しかし少々大きな焦げ跡ができてしまった場合、塗り潰した程度ではごまかしが利かなくなっている事も多い。
そこで少々大きめな焦げ付きができてしまったフローリングは、周囲の板を巻き込んで補修する方法がお勧めとなる。周辺を削ってからコーティングしていくため、より自然に全体のフローリングと馴染ませる事ができるはずだ。
準備するもの
焦げ跡が小さいものであれば紙やすりで表面を擦るだけでもつるつるとしたフローリングの質感に近づける事ができる。しかし大きな焦げ跡となっているとその分ギザギザしてしまう面が固く鋭くなってしまっているため、やすりの方が負けてしまって表面を削る事ができない。そのため大きな焦げを修復するにはまず彫刻刀を用意しておくと良いだろう。
深彫りの鋭い刃ではなく、平彫り用の浅い刃を用意しておくようにする。お勧めは先丸平刀だろう。ある程度違和感なく周辺と馴染ませる事が可能だ。
また、焦げた事で固く尖ってしまった箇所を周りと馴染ませたのち、ここでも市販されている専用アイテムを活用する。
単純なペイント作業と比べると少々手間はかかってしまうが、樹脂スティックを使った補修は慣れれば自然な仕上がりが叶う。ただしあまりにも深い損傷となっている場合には有効とは言えないので、悪化させてしまう前に専門のプロに依頼した方が良いだろう。
手順とポイント
手順①:平彫りができる彫刻刀で焦げ跡の焦げが消えるまで削り、その高さまで合わせるように付近も(一回り大きく)削る。
手順②:修復箇所の木屑や埃、汚れを取り除いて、床の色に合ったリペア剤の色を選ぶ。
手順③:電熱コテ(付属商品)でリペア用の塗料を溶かし、補修箇所に少し塗料が盛り上がるくらいまで埋めていく。
手順④:塗料を溶かし埋めた補修箇所と、その周辺に耐熱保護材を上から塗る。耐熱保護材は、次の工程で使用するコテの熱で、既存フローリングに焦げが発生しない為のものである。
手順⑤:電熱コテを使って埋めた塗料部分をゆっくり溶かしながら平らにしていく。
手順⑥:付属の木目ペンで、周囲と合わせた木目模様を描く
専門のプロに相談すべきケースとは?
焦げの損傷が強く範囲が広い
上記のように小さな焦げ跡であれば自分の手でフローリングの補修をする事は案外簡単にできてしまう。
しかし自分の手でフローリングの焦げを修復するには限界がある。その限界を超えている場合に無理やり自身で修復作業を行ってしまうと、かえって状態を悪化させてしまうリスクもあるため注意が必要だ。どの程度の状態を超えたらプロに任せるべきであるかを予め把握しておく事により、損傷を拡大させたり不要な費用を払ったりしなくて済むようにできる。
専門のプロに相談すべき焦げ跡のケースは、基本的に損傷の強さと範囲の広さで見極める事となる。表面だけ薄ら焦げてしまった程度であればキットを使って簡単に隠す事もできるが、フローリングの深部にまで損傷が生じてしまっている場合には削ってもうまく元の見栄えに戻せない恐れが大きくなる。
また、範囲が広い事も素人の修復という面ではデメリットとなる。ごく限られた小さな箇所であれば作業にそこまで手間もかからないだろう。ところが広範囲に目立つ焦げができてしまった、あるいは放置していた事によって大きく広がってしまった場合などは、フローリングの一面を丸ごとリペアしなければならない。
素人にできる修復作業とは異なってくるため、これも自力でやろうとすると事態を悪くさせる原因となってしまう。
焦げによるフローリングの損傷具合が酷く、その範囲が広い場合については、無理せずになるべく早い段階で専門業者に依頼する事が必須となる。
賃貸である
フローリングの焦げ跡を修復する時に考えるべき事は、その家が持家であるか賃貸であるかと言う点によっても左右される。
持家であればその家の所有権は自分達にあるため、焦げ跡を放置しておこうが自分の手で修復しようが誰にも迷惑は掛からない。原状回復のための費用を請求してくる第三者も存在しないので、最悪の場合は焦げ跡の上にカーペットを被せて見栄えだけカモフラージュさせておくと言う奥の手を使う事もできてしまうだろう。
ところがこれが賃貸物件である場合にはそこまで簡単な話とはいかない。住み続けている間はトラブルになる事はなくとも、いずれ引っ越しなどによって部屋を所有者に返す時が来るだろう。問題となるのは住んでいた部屋を持ち主に明け渡す時であり、部屋を借りていた側には原状回復義務と言うものが発生する。
つまり焦げ跡がフローリングにできてしまっている場合には、焦げがない状態に戻さねばならず、部屋の所有者がリフォームによって焦げを修復したとするならその費用を支払う義務が発生する事になるのだ。
リフォームは言うまでもなくある程度大掛かりな作業となる。フローリングを張り替えて一新するとなれば、その分の費用も大きくかさんでくる事となるだろう。それを防ぐためには予め専門のプロに修復作業を依頼しておくことが求められる。
床一面を張り替えてリフォームした場合と、仮に範囲が広がってしまっていたとしても焦げ付いた箇所だけを修復してもらった場合とでは、そのためにかかる費用にも大きく差が出てくるはずだ。
焦げ跡を放置したまま部屋を明け渡した事によって不要な費用まで支払う事態とならないように、自分で信頼できる業者を探した方が賢明と言える。
専門業者なら酷い焦げも補修可能
もし、焦げの補修をプロに依頼した場合、どのような結果が得られるのかをご覧いただく為に【焦げ】に関する補修事例を紹介する。
焦げ補修の事例を紹介
①フローリングの焦げ修復
画像のように複雑な色合いのフローリングの焦げの修復は、既存箇所とのギャップ埋めが想像以上に難しいが、プロであればアフター画像のように焦げがどこにあったかがまったくわからないところまで修復してくれる。
②焦げによって広範囲に損傷したドア
家の中で最も焦げ跡ができやすいのはフローリングであるが、暖房機器による焦げなどは、壁や扉に多く見られる事案であり、ほんの少々の不注意によって酷いダメージを生じさせてしまうケースが多い。
上の写真は焦げ付きが元となって酷い損傷となったドアの事例だ。熱が加わった事により表面が膨張して剥がれてしまったケースである。
ここまでくると素人の手で修復するのは明らかに困難である。単に焦げ付いて変色してしまっただけであればペンキなどで上から覆い隠す事もできるだろう。しかし剥がれて歪みが出てしまった場合には業者に頼むしか方法はなく、専門のプロに依頼すれば元通りの状態に修復させる事が可能となる。
焦げが広がった箇所の修復で済むためリフォーム程の大掛かりな作業とはならず、費用的にも最小限に抑える事ができるだろう。
③床にできてしまった目立つ焦げ痕
フローリングのような木材の床だけではなく、それ以外の材質であってもプロであれば焦げ跡の修復を行える。木材でできた床であれば、ある程度の範囲の焦げ跡までなら自ら削り取って修復させる事ができる。しかし木材以上に固い材質で容易に削り取れない場合には、ただ材質を傷めるだけで余計に見栄えを悪くしてしまう事となる。
これをプロの技であれば綺麗に元通りにする事が可能だ。
素人ではここまで綺麗に戻す事は困難であるが、技術を持った専門業者であれば専用の道具やノウハウも熟知している。自分で修復するよりは費用はかかるが、デメリットなく焦げ跡を直す事ができるだろう。
相場価格
焦げ跡がついてしまったフローリングの修復について、その費用の相場はおよそ15,000円から50,000円ほどになる。補修箇所の程度や作業時間によって大きく異なり、2時間内に5ミリ程度の傷が10カ所までの場合で20,000円前後、3時間で5ミリ程度の傷を20カ所まで補修するなら30,000円前後となる。7時間ほどをかけて50カ所程度の作業をするのであれば30,000円から50,000円ほどだ。
このようにリペア料金は補修箇所の状態と時間によって料金が変動する。焦げ跡の範囲が広ければその分高くなり、この他にもフローリングにどのような材質を使用しているかによっても異なる。
そのため焦げ跡の修復を専門業者に依頼しようと検討している場合には、まずは評判の良いプロを口コミ等で検索し、フローリングの状態を相談してから見積もり依頼を出してもらうと良いだろう。
まとめ
フローリングの焦げ跡は誰にとってもリスクがあり、特に喫煙者がいる家庭であればその危険度も増してくる。小さな傷なら自分で対処する事も可能であるが、大きな焦げや目立つ焦げは専門業者へ依頼しなければ修復が困難な場合も多い。
放置してしまう事は状態を悪化させる元であるため厳禁とし、自分で対処できるか業者に依頼するかをまずは検討する所から始めるのが良いだろう。
業者を選ぶときには口コミなどを元に技術力のあるところを選び、過去の実績などをホームページで出している業者であるなら自分の家の状況と似たケースがないか探してみると良いだろう。
依頼の前には必ず見積もりを出してもらい、納得のいく費用とやり方で修復してもらえるのかどうかを見極めておくことも重要だ。早い段階で対処しておけば後になって悔やむ事態にもならなくて済むため、酷い焦げ跡を作ってしまった時には迅速に業者への依頼を行うべきであると言える。
東住リペアのトップリペア職人。フローリング、壁はもちろんのこと、扉の穴やサッシなどの金属類、高級スピーカーなども補修可能な関西でNO.1のスキルを持つ男。無料見積もりしますのでお気軽にお申し込み下さい。無料見積もりのご依頼はこちらより。