今回は「家具の設置」や「家具の移動でフローリングに傷・へこみ跡がつかない」ようにする防止法と、もし、傷がついてしまった場合の補修方法を解説する。
防止方法では便利なアイテムも紹介している為、新築や賃貸への引っ越しの際や、新しい家具を設置する際にはきっと役立つ事だろう。
既についてしまった傷やへこみの補修方法は、無垢材、複合材、クッション材などの種類別に補修法を解説している。是非最後までご覧いただきたい。
家具の移動や設置で傷やへこみ跡を防ぐ方法
大きな家具や電化製品は引っ越しや移動時にフローリングを傷つけやすい。
賃貸の場合の原状回復は、部屋を入居時の状態に戻すのではなく、故意や過失で出来てしまったダメージの改善が求められる。
よって、家具の移動や配置で傷や凹みがつきそうだと予想される場合には、緩衝材などを用いることで傷やへこみ跡を防いでいただきたい。今から家具によるフローリングの損傷予防の仕方を明記していく。
椅子・テーブルに脚カバーをつける
フローリング床をキレイな状態に保つための様々なアイテムがある。
まずは椅子やテーブルの脚につけるカバーである。
最近では、ナチュラルなデザインのものから、キャラクターものまで種類も豊富で、インテリアの一部として楽しみながら選ぶことができる。
もちろん汚れたり劣化したり買い替えは必要だが、模様替え気分で手軽に傷予防が可能である。
脚カバーグッズは、ネットショップや東急ハンズ、LOFT等のDIY専門店で購入可能だ。
フェルトやスポンジの緩衝材をつける
家具の脚裏に直接付けるクッションフェルトを活用することで、自然とフローリングが傷つかないようにプロテクトすることが出来る。
クッションフェルトは、「好みのサイズに調整してカット」することが出来る。
また家具保護用のクッションフェルトの多くはシールタイプで貼り付けることが出来るので、簡単に装着可能な点も大きなメリットになる。
フェルトは柔らかい素材と硬い素材の選択が可能なので、稼働家具は柔らかい素材を、タンスやベッドなどの重い家具などはできるだけ硬い素材を選択しよう。
クッションフロアで騒音も防止
クッションフロアはマンションの床材としての使用も多いほど衝撃吸収性能もあるので床材の上に重ねて張るだけで、傷防止だけでなく、騒音の防止にもなる。
また市販されているクッションフロアのカラーはベージュや黒、白、ブラウンなどフローリングにマッチするカラーが揃っている。
見た目もインテリアと馴染むため景観を損なわないのもクッションフロアのメリットだ。フローリングのキズ防止には最適な素材と言え掃除もしやすく利便性に長けている。
さらに、クッションフロアはハサミで簡単にフリーカットが可能である。
保護マットやシートを下に敷く
家具の中でも椅子等は動かすことが多いためしっかり対策をしないとフローリングに傷をつけてしまう事になるので注意が必要だ。
特にキャスター付きチェアそにはチェアマットをおすすめする。
ダイニングチェアの場合は、大きめの保護シートをおすすめしたい。
特に小さなお子さんがいらっしゃる場合には、ダイニング廻りは物を落としてしまったり、食べ物をこぼしてしまったりが絶えない為、すぐに掃除が出来る点でも非常にメリットは大きいだろう。
賃貸の場合も最初に保護シートを設置しておけば、フローリングを傷つけずに生活することが出来て、退去時に安心である。
クッションつきの家具を選ぶ
傷予防をするためクッションつきの家具を購入する手もある。
クッションつきの家具は安全にそして機能的、わざわざ自分でケアをする必要もなく手間がいらないというメリットがある。
賃貸入居者必見!原状回復義務について
賃貸にお住まいの方は「空け渡しの際には原状回復をする」という契約を承知かと思うが、実際どこまでが借主負担なのかを把握している人は少ないだろう。
通常の生活で使用している際に自然に劣化してしまうのは仕方がない、しかし故意や過失でできてしまった傷などは、後に大家さんから補修費用を請求されることになる。
ここからは、どのような損傷が入居者の責任となるかを解説する。
原状回復のガイドラインを知っておこう
まずは、原状回復のガイドラインを明記しておく。
国土交通省のガイドラインの定義は
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」となり、
「普通に生活していて通常の傷や損耗、太陽光の経年劣化は含まれない」となっている。
借主側の負担となるのは
- タバコのヤニの汚れや焦げ後
- 飲み物や料理によるカーペットの床のシミ等
- 引っ越しでできた傷
- 家具のキャスターでできてしまった引っかき傷
- 手入れをしなかったためのカビ、台所の油汚れ
- バスルームのカビ等
などが含まれ、掃除をしなかった、または家具などで傷をつけてしまったなどは該当する。
参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
入居や退去の際にはフローリングの傷防止対策をしておかないと、退去時に補修費用を敷金から支払わなくてはならない。もちろん敷金よりも補修費用が上回った場合には追加で支払いが発生する。
そうならないようにしっかり事前に予防、または事前に補修をしておきたい。
例えば、フローリングに傷や凹みができてしまったが部分的なリペアで修復可能な場合であっても、貸主が手配した業者がリフォーム業者であれば大規模な張替えとなってしまう事もある。もちろんこちらで業者を選定する事が出来ない為、補修費用は不透明である。
また、管理会社の手数料が上乗せされて、個人で依頼するよりも補修費用が上がることもある。
賃貸はDIY補修でトラブルになることも
傷予防を行っていても、フローリングに損傷を与えてしまった場合、補修費用を抑える為に自分で補修を行おうと考える方も多い。
先記したように、大家さんや管理会社に補修の手配を行う事で補修費用が上がる事も事実ではある。
しかし、自分で補修を行い、補修跡が残ってしまった又は失敗してしまった場合にはトラブルの元となるので、賃貸の場合は素人のDIYは避けた方が良い。
賃貸の場合は費用をできるだけ抑えるのであれば、自分で補修したことがわからいレベルの腕の良い業者に補修依頼する。但し、賃貸契約内容によっては契約違反となる場合には、リスクを考慮してご判断頂きたい。
家具によるフローリングの傷・へこみの補修方法
ここまでは、家具によってフローリングに傷をつけないようにする予防法、そして賃貸における原状回復の内容を解説してきた。
ここからは、持ち家の方におすすめしたい、フローリングに傷や凹みをつけてしまった場合のDIY補修方法を無垢材・複合材・クッションフロア毎にお伝えする。
出来てしまったフローリングの傷は、張り替えすれば直すことが可能だが、それなりの高額な予算になってしまうので、小さな傷や凹みで挑戦できそうであれば、参考にしていただきたい。
無垢材は木屑で補修orアイロンで補修
無垢材フローリングに出来てしまった傷や凹みの補修方法は2つある。
まずは、木屑で補修する方法である。これは一枚板の無垢材だからこそ行える方法だ。
■無垢材を木屑で補修するやり方
①傷や凹み箇所の汚れを綺麗に拭き取り、周辺がささくれている場合はサンドペーパーで取り除く。
②傷や凹み周辺のフローリングをサンドペーパーでやすり、傷や凹みが充分に埋まるくらいの量の木屑を出しておく。
③傷や凹み箇所に入れ込むように木工用ボンドを塗る。ボンドは速乾性ではないものを使用いただきたい。
④ボンドを塗った中に、先に出しておいた木屑を乗せて、爪楊枝でボンドと木屑を混ぜる。その後、上からもう一度木屑を乗せてボンドと馴染ませる。
⑤木屑が混ざったボンドは乾燥後には少し痩せる為、少し盛るくらいに木屑の混じったボンドが乗っているくらいが良い。しっかりと乾燥させる。
⑥乾燥後、はみ出た部分に少しずつサンドペーパーをかけて取り除き、表面を平たんにする。
続いては、アイロンで補修する方法を解説する。こちらの方法は傷よりも、凹みに対して有効である。
■無垢材をアイロンで補修するやり方
①針で、凹み箇所に数か所(画像くらいであれば2~3箇所)の小さな穴を針で空ける。
②水を含んだ綺麗な布を、凹み部分の上に置く。
③布の上からアイロンを当て、凹みを蒸らす。
上記を行うと凹んで潰れてしまった木の繊維が膨らみ、凹みが解消される。
ただし、
・ウレタン塗装やUV塗装などコーティング系塗装の場合は、塗装が熱剥げたり変色したりするのでアイロンでは補修は行わない事。オイルフィニッシュなど浸透性塗料の場合にも有効である。
・凹みが深い場合には充分に補修できない事があるため、その場合は木屑を用いた補修をおすすめする。
複合材は補修キットで補修
複合材は無垢材よりも補修難易度は高いが、画像のようなキットであれば、素人の方でも小さな傷や凹み補修は可能である。
①傷や凹みのある箇所の汚れをきれいに掃除する。
②電気コテの電源を入れて温める
③フローリングカラーに合うスティックをコテで溶かして、傷や凹み割れ部分に流しこむ。1色では色が合わない場合には、2色以上を溶かし混ぜて、色を作り馴染ませる。
④スティックが充分に乾燥し固まったら付属のスクレーパーで平らにしていく。
市販されている木部補修は様々な種類があるが、今回ご紹介したような、補修材・コテ・スクレーパーなどがセットになっている木部補修材を使用すると手軽に補修が可能だ。
傷や凹み補修の跡、更に上から、既存の仕上げ(ワックスやニスや塗装)調整も行うと、どこに傷や凹みがあったか目を凝らしてもわからない程に修復できる。
ここでのポイントは
- 塗装の際には周辺の色と誤差が出ないように、2色以上のスティックを混色し色を調整していくことが大切である。
クッションフロアはプロにリペア職人に依頼
クッションフロアの場合は、長期間家具などを置いておくと、家具の色が移ってしまったり、凹んでしまったりが必ずと言って良いほど起こるので、凹み等を避けたい場合にはマットを敷くなどの予防が必須である。
もし、家具によって、クッションフロアに傷や凹みがついた場合、塩化ビニールシートであるクッションフロアの補修は、自分ではできかねる。
一つだけ試せることと言えば、凹んだ箇所に蒸しタオルを当てて、潰れてしまったクッションを膨らませることぐらいだが、軽い凹みにしか効き目が期待できない。
その為、クッションフロアを補修したい場合には、プロのリペア職人に相談することが最適である。
まとめ
今回は家具によってできてしまう自宅のフローリングの傷の予防と解消策を明記したが、
傷の長さが15cm以上ある場合や、傷の深さが1mm以上ある場合は、プロのリペア業者に修復を依頼することをおすすめする。
下記はプロのリペア業者による補修事例である。
家具による傷や凹みは元からなかったかのようにしてくれる。
もちろん、床下地が損傷していたり、全体的に劣化していたりする場合には交換であるリフォームが最適であるが、既存の物を補修できるプロがいる。という事も覚えておいて欲しい。
リペアの費用は、損傷の大きさや状態によって変動するが、一箇所の補修技術料は15000円~である。
東住リペアのトップリペア職人。フローリング、壁はもちろんのこと、扉の穴やサッシなどの金属類、高級スピーカーなども補修可能な関西でNO.1のスキルを持つ男。無料見積もりしますのでお気軽にお申し込み下さい。無料見積もりのご依頼はこちらより。