無垢フローリングをいつまでも綺麗に使うためのお手入れ法を解説

フローリングは、木の風合いが心地よく人気があり、今ではほとんどの日本の家屋で使われている。中でも無垢材は天然木そのままの感触、香り、色合いなどが楽しめ、人気が高い。

しかしその反面、水に弱い、反りやたわみなど自然素材ならではのトラブルも起きがち。

そういった特徴を最初に知っておくことで、適切なお手入れを日々行うことができ、経年変化による自然な風合いの違いが楽しめる。

無垢材の日々のお手入れ方法とメンテナンスをわかりやすく解説しているため、長い期間、無垢材の味わいを楽しむのに役立てていただきたい。

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フローリングにはどんなものがあるのか

フローリングと一口に言ってもさまざまなタイプがあるが、大きく分けると無垢材と複合材の２つに分けられる。

無垢材は単一の木材そのもので、天然木にほとんど手を加えていない自然素材の一枚板が基本。複合材は、複数の天然木を接着剤で貼り合わせ、表面材には天然木の合板か広葉樹系の単板を貼ったものだ。それぞれに特徴があるので次に説明する。

無垢材と複合材、それぞれのメリット・デメリット

【無垢材】

質感が良く､木材の温かみや肌触りなどが味わえる。天然木なので調湿性があり、夏は湿気を吸収。冬は湿気を放出し、部屋を快適にしてくれる。

さらに、時間が経つほどに色や風合いが変化し、味わいが増すというメリットもある。

デメリットとしては、自然の木だからこその快適性はあるものの、湿気が多いと膨張したり、逆に乾燥したりすると反りや割れが起こりやすい。また水にも弱いので注意が必要だ。

【複合材】

合板であるため、温度や湿度の変化に強く、膨張伸縮が少なく、ねじれや反りが起こりにくい。また耐水性、耐候性がある。

工業製品なので、均一な品質の素材を多量に生産でき、そのため品質が一定で価格も無垢材に比べて安価である。

メンテナンスの手間も無垢材と比べると少ないが、木材本来の自然の温もりや風合い、また経年変化による味わいはそれ程なく、無垢材よりも硬質である。また傷がつくと、無垢材よりも補修がしにくい。

お手入れの簡単さを考えると、複合材が断然ラクだ。しかし、木本来の自然の肌触りや風合いを楽しみたいのなら、やはり無垢材に軍配が上がるだろう。

耐用年数は、お手入れによって違う

一般的にフローリングの寿命は、10年から15年くらいと言われている。

しかし無垢材の場合は、天然の木材であるだけにお手入れが必要にはなるが、それ如何によっては一生ものと言えるくらい長持ちさせることがもちろん可能だ。

材質の特性を良く知って、面倒くさがらずに小まめなお手入れをすることが長持ちのコツと心得よう。定期的なケアも楽しんでしまうという発想で、木の手触りや色合いが変わっていくのを積極的に味わうのが良いだろう。

無垢材の普段のお手入れ方法

天然木だからこそ必要なお手入れがあるので、次に解説する。これらを普段から心がけ、できるだけ長持ちさせて、時間の経過で味わいが変わってくる無垢材の特質を堪能したい。

水に弱いので基本は乾拭き

無垢材も、基本的に無塗装では使用せず、天然油脂（オイル）で仕上げた自然塗装か、ウレタン系の塗料を使ったウレタン塗装のどちらかが多い。しかし、いずれの塗装がしてあっても、普段のお手入れは乾いた雑巾で拭く。水に弱い素材の特性上、水拭きはしてはいけない。

オイル塗装の場合は塗り直しなどのメンテナンスが必要

ウレタン塗装のフローリングにはワックスを塗らなくても良い。特にツヤを出したい等でワックスをかける場合には、塗装できるかどうか各ワックスメーカーに問い合わせして確認後に使用する。

対して、オイル塗装のフローリングは、年に1回くらいオイル塗装専用のクリーナーなどで汚れを取るのが良い。汚れを落とした後は、乾拭きしておこう。

ワックスをかける時には、今使っているオイルと同じメーカーのワックスを使うこと。ホームセンターで手に入るウレタン塗装用ワックスは使わない方が良い。毛羽立ちやシミの原因になる恐れがある。

お手入れのことを考えるとオイル塗装が良い

無塗装のフローリングは白木と言って、木を削り出した板そのままを指す。何も塗装していない状態のため、汚れや傷がつきやすい。また、いったん汚れがつくと木の中までしみ込んでしまうので、ついてしまった汚れが落とせない可能性が高い。

万一、水や油分をこぼすと奥までしみ込みやすく、その部分は色が変わってしまうことも。傷や汚れをどこまで許容するのかは人それぞれの感覚だが、フローリングは長い間使うもの。そう考えると、塗装を施す方がベターだろう。

オイル塗装はその点、汚れが木にしみ込むのを防ぎながら、木の質感や温もりは残るので、無垢フローリングに合った塗装と言える。しかも、傷が目立ちにくく、凹み等の補修がしやすい。また、油膜をつくらないため、傷や汚れが付きにくいなどのメリットがある。

無垢材のフローリングでしてはいけないこと

何よりも気をつけたいのが水分。シミや収縮、膨張の原因となるので、水をこぼした時はすぐに拭き取ることが重要。油汚れもシミになりやすいので、リビングなど食事をするエリアでは、食材を落としたりした場合、早々に拭き取るようにする。

また、素材にもよるが床暖房を使うことには注意が必要。床暖房によって反りや縮みが起きやすい。ただ、最近では収縮や反り防止の特殊加工がされた無垢材も増えてきているので、床暖房を導入したい場合は予め施工会社に相談したい。

傷や穴ができたときの対処法

無垢材は、天然の木の風合いを楽しむためのもの。多少の傷や凹み程度なら、それも味わいとして経年変化のひとつと考えるのも良いだろう。

しかし、凹みや傷からダイレクトに水気(湿気)や乾燥を受け、大きなひび割れに繋がるなど、そのまま放置すれば、深刻なトラブルに発生する可能性も捨てきれないような場合もある為早めに対処しておく方が安全である。

「線傷」は表面を削る

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家具などを引きずったりした時にできる線のような傷。擦り傷程度で比較的浅い場合は、基本的には表面を削って対処する。

サンドペーパーなどで表面を擦り、傷を目立たなくするだけで良い。一枚板なので、下の新しい面が出てきて、傷はなくなる。オイル塗装してある場合は、サンドペーパーで擦った後に同様のオイルを塗っておく。傷が深いときは、表面にカンナがけが必要になるケースも。その場合はプロに任せた方が良い。

「ひび割れ」には木屑を使う

一枚板の無垢材は、同じ木であっても挽き方によって木目が異なる。木目が縦に細い感覚で平行して揃っているものが柾目。波形や山型のものを板目と言う。柾目は反りや伸縮などの狂いが少なく、見た目が良いが、木目がまっすぐのため、割れやすいという性質がある。

ウレタン塗装をしていない無垢材のひび割れについては、木工用ボンドと木屑か砥の粉（木を粉末にしたもの）、サンドペーパー、瞬間接着剤を用意すれば修復ができる。手順は以下の通り。

①　まずひび割れができている箇所に、木工用ボンドを塗る。このボンドは速乾性ではないものを使用する。砥の粉を使う場合は、木工用ボンドと砥の粉を混ぜてペースト状にする。

②　ボンドを塗ったひび割れの中に木屑を乗せていく。砥の粉を使う場合は、ペースト状にしたものをひび割れの中に塗り込んでいく。

③　はみ出た部分にサンドペーパーをかけて取り除き、表面を平たんにする。

④　ひび割れが埋まったら、瞬間接着剤で表面を整える。

「凹み」には水と熱を使う

少し硬いものを落としたり、重めの家具を置いたりしてできてしまう凹み。これには無垢の木の伸縮する性質を活かして、対応ができる。

ただし、この方法はウレタン塗装やUV塗装を施している場合には塗装が剥げることがある為、オイルやワックス仕上げのみに対応できる。

用意するものは、目の細かいサンドペーパー、水、タオル、アイロン、仕上げ用のオイルかワックス。

①　凹み傷のある部分の周辺の表面をサンドペーパーで少し削る。これによって木に水がしみ込みやすくなる。

②　表面を削ったら、水を適量かけ、そのまま30分程度放置する。

③　水を拭き取ってから、傷の部分に塗れたタオルを置き、塗れたタオルの上から熱したアイロンを当てる。ヤケドに注意して、ときどき様子を見ながら当てよう。

④　一度で凹みが直らない場合は、②と③の手順を繰り返す。

⑤　凹みが直ったら、仕上げに再度サンドペーパーをかける。傷があった部分の周辺の木肌が少し荒れたようになっていることが多いので、それを綺麗にならす。

⑥　凹みの手当てをした部分は、元の新しい時の木肌の色に戻り、周囲より白く見えるようになる。他の部分と同じ風合いになるように、仕上げにオイルやワックスを塗り込む。

※上から塗ったオイルやワックスの色合いのムラはすぐに解消しないが、時間の経過とともに目立たなくなる。

「虫食い穴」には殺虫剤を使う

最近の建材には、人体に有害なホルムアルデヒドなどの化学物質を極力排除してつくられているため、虫が生きやすい環境にもなっている。従って、無垢のフローリング材だけでなく木でできた素材は基本的に、薬剤を使用した殺虫処理を行わない限り虫食い被害起こりうる。

ただ、無垢材は木に含まれる水分を減らすため、加工時に高温による乾燥処理が施されていることがほとんど。そのため、薬剤による殺虫処理はされていないが、生きた虫が混入する可能性は大きくない。
ということで虫食い被害はほとんど起こらないはずだが、起こるとしたら、その原因は建築後に外部から入った「ヒラタキクイムシ」だ。被害は主に夏から秋に起こりやすい。

出典：https://www.rentokil.ie/woodworm/signs-of-woodworm/

もし、無垢材フローリングに直径2mmほどの針のような小さな穴と周辺に木屑を見つけたら、虫食い被害と判断した方がいいだろう。虫食い被害を見つけた時は、ノズルの細いエアゾール系殺虫剤、瞬間接着剤、サンドペーパー、普段

使用しているオイルを用意して対処する。

なお、ヒラタキクイムシは、強い虫ではないので、殺虫剤を使用すればほとんどの場合、根絶させることができる。

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①　虫食いの穴に殺虫剤を注入する。穴にノズルを差し込むが、穴がノズルの直径よりも小さい場合は、錐などで穴を拡げ、ノズルを奥まで差し込んでから殺虫剤を注入すると効果が高い。

②　殺虫剤を注入した後は穴を塞ぐ。瞬間接着剤を穴に流し込む。さらに穴の周辺をサンドペーパーで擦って、できた木屑を瞬間接着剤に混ぜて穴を塞ぐ。

※サンドペーパーは穴の回りを集中的に擦らず、グラデーションになるように広めの範囲を擦る。

③　サンドペーパーで擦った後は、オイルを塗っておく。

※こういう補修はウレタン塗装では難しいので、オイル塗装の方が良い。

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損傷がひどい場合にはプロに修理依頼

無垢材は､時間が経つとともに風合いや表情、色が変わっていくのが特徴であり、それを楽しむのが無垢材の醍醐味とも言える。しかし、そうは言っていられないほどに損傷が起きた場合は、プロの専門業者に修理を依頼することも選択肢として考えた方が良い。

リペア(修復)の特徴と価格

フローリング材を交換するのではなく、傷、凹みを綺麗に直すのがリペア（修復）と呼ばれる技術。損傷のある部分のみ直すので、広い範囲は難しいが多少の傷や凹みなら、リペアで直すことができる。

無垢材であれば、多少の傷や凹みならば自分でもどうにかできるケースが多い。しかし、それでは直りきらない場合にはプロの技術によるリペアを依頼するのが良いだろう。

プロに依頼した方が良い目安としては、傷の長さが15cm以上ある場合や、傷の深さが1mm以上ある場合だ。

＜リペア価格の目安＞

無垢材の傷、凹み、穴など：約2万5千円〜3万5千円

リフォーム(作り直し)の特徴と価格

無垢材は傷も凹みも、多少のものなら自分でも直すことができるが、損傷を放置してしまい、床全体や床下地にも広範囲の痛みがあるケースでは、フローリングを全部取り替える必要が起こりうる。

そういった場合ではリフォームとなる。ただ、張り替えるのであれば、また好みの質感の無垢材が選べるし、リフレッシュできるというプラス面もある。

＜リフォーム価格の目安＞

単にフローリングのリフォームと言っても、完全に剥がすケース(張り替え工法)と、既存のフローリングの上から、新しいフローリングを重ねて張る場合(重ね張り工法)がある。

●完全に剥がすリフォーム相場価格

既存のフローリングを完全に剥がすリフォームは、下地の状態を確認できるのがメリット。古いフローリングを剥がす工程の費用や廃材処分費用がかかるので、重ね張りよりも当然、工事費用が高くなる傾向にある。

＜張り替え工事費用の目安＞

リビング：約10～20万円
キッチン：約7～14万円
トイレ：約3～6万円

●重ね張りのリフォーム相場価格

既存のフローリングの上から、新しいフローリング材を重ねて張る工法。出る廃材が少なく、フローリングを剥がす工程がないので、工事費用を抑えることができる。

ただし、下地の状態を確認できない。また、重ね張りしたフローリングの厚み分、床の高さが上がるので、ドアの開け閉めに支障が出るケースもあるので注意が必要だ。

＜重ね張り工事費用の目安＞

リビング：約8～16万円
キッチン：約5～10万円
トイレ：約2～5万円

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無垢材のトラブルは実績豊富な専門業者に相談を

リペア、リフォームのいずれを実施する場合にも、依頼するのなら必ず専門業者を選ぼう。

顔見知りの近所の工務店に依頼したくなることが多いが、その工務店に所属している大工や技術者が無垢材のフローリングについて詳しいとも限らない。

まず施工する前に、いちばんに相談するのは、フローリングの施工実績が多い専門業者が良いだろう。無垢材のフローリングの扱いに慣れていて、トラブルが起きても対処できる経験豊富な業者を選びたい。

最近はインターネットなどでも多数の業者を見つけることができるが、良い業者は価格を売りにせず、技術を売りにしているところが確かである。

正確な工事費を知るためには、損傷箇所を見てもらう必要がある。

リペアの場合、現地調査は不要で、損傷の大きさのわかる写真を複数枚、メールの他、ＬＩＮＥからの問い合わせフォームから送ることで、スピーディーに見積もりが依頼できる。

また、見積もりを取るときの方法として複数社に見積もり依頼して「比較検討」がある。相見積もりで気をつけたいのが、あまりにも安い業者は技術力が劣るため止めたほうが良い。

また、ここ近年は、さまざまな工事などについて、複数の専門業者から簡単に無料で比較見積もりができるサービスを紹介しているサイトがある。

ただし、見積もり比較サイトは、サイト運営者の利益が乗り、業者の利益が減るので作業が粗悪になるケースがあるので利用しない方が良いだろう。

見積もりが出てきたら、見積もりの詳細をチェックしたい。項目に漏れがないか、内容のわからない項目や金額の提示がないか、見積もり料金は適正か。また、追加の料金は発生しないかなども併せて確認する。

さらに、こちらの疑問に対してどんな些細なことでもきちんと対応・回答してくれること、見積もりを約束の日程で提示するか、対応が丁寧で親切かなどをチェックしてみよう。

さらに、工事後にまた何かフローリングでトラブルが起きたときに保証があるか。自社独自の保証期間を設けているかなどを併せて確認する。

まとめ

無垢材のフローリングは木材から切り出した一枚の板なので、天然の木材の風合いや温もり感、肌触りが楽しめる。また経年で変化して味わいが増すという特徴がある。

広葉樹と針葉樹の２つの種類の素材があるが、広葉樹は硬めで傷がつきにくい。しかし色合いが良い樹種も多く、インテリアに合わせていろいろな木材が選べる。針葉樹は木材が軟らかで肌あたりが良い反面、傷などがつきやすい。

また、全体的にも天然の素材であるため、傷や凹み、割れなどが起きやすいというデメリットもある。

しかし、大敵である水分と余分な油分に気をつければ、長い間使用できる。

普段のお手入れでは水分を極力避け、年に一度程度はオイルかワックスを塗って、汚れや傷を防止する。

普段のお手入れは、乾拭きが基本で、水拭きはできるだけしない方が良い。

傷や凹みができても、軽傷であれば身近な素材を使って自分で対処ができる。自分では修復が難しいほどの傷や凹みがあれば、専門業者に依頼するのが解決の早道だ。

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【東住リペア】高田

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無垢フローリングをいつまでも綺麗に使うためのお手入れ法を解説